top of page

ことばおじさんの質問箱

普段使っている 或いは 聞いている言葉で あれ? と気になる日本語について

 “ことばおじさん”こと元NHKアナウンサー梅津正樹(うめづまさき)先生に聞いてみましょう。

皆さまからの気になる疑問をお待ちしております。

ご質問はこちらの質問箱からお願いいたします。

皆さまからのQ&A

Q1

「とんでもない」 という語を丁寧な表現として 「とんでもございません」 という言い方にした例を

よく耳にしますが、 これは適切な表現なのでしょうか?

      語源的には 「とんでもーない」 です。 その場合は 「ない」 を丁寧な 「ございません」 とすることができます。

      しかし、 既に全体として 「とんでもない」 という一語になった形容詞とされています。

   そのため丁寧な表現にすると 「とんでもないことでございます」 が適切な表現となります。

   しかし 「とんでもない」 は普通の形容詞から転じて 「相手の言葉に対して強く否定する気持ちを込めて

      言う時の 『あいさつ語』 としての用法も一般化しています。

      ですから、 場合によっては不適切な使い方とは言えないこともあります。

      例えば、 他人に褒められて謙遜する時には 「とんでもございません」 と言いますね。

A1

Q2

「鳥肌が立つ」 は本来、 寒いときや恐怖を感じた時などに使う言葉だと思いますが、

最近は感動した時に使う人が増えました。 違和感があります。

      おっしゃる通り、 「鳥肌が立つ」 はマイナスイメージを伴った使い方をする言葉です。

   ところがNHK放送文化研究所が 「鳥肌が立つような深い感銘を覚えた」 という表現をどう感じるか調査したところ、

      「おかしくない」 が平成4年には32%だったものが、平成10年には62%でした。

      現在、 同じ調査をすると更に増えているでしょうね。

   敢えて、 意識的に本来の意味とは別の使い方をすることで 「感動した」 という言葉だけでは表現しきれないくらい、

      心が動かされたということを言いたいのかも知れません。

    実は、 生理学的には、 感動すると本当に鳥肌が立つことが実証されています。

A2

Q3

証書や賞状などには、 句読点が省略されていますが、 何か理由があるのでしょうか?

A3

     句読点が日本で普及し始めたのは明治初年以来のことです。 日本文に入ってきたのは西洋の文章の

    翻訳からです。 本来、 日本には句読点はなかったのです。 証書や賞状などは、その伝統を守って

   いるのですね。 筆を使って手紙を書く人は、 今でも句読点なしで描くのが普通です。

   私たちの日常会話を考えると、 声には句点も読点もありません。 昔の人は、 声で聞いても意味が

   通じるように文章を書くことを心がけていたのではないでしょうか。 これは、 ことばによる

   コミュニケーションを考える上で、 とても役に立つと私は考えています。

bottom of page